画像:Block(ジャック・ドーシー)の公式発表の写真をもとにしたイラストです(原典:Jack Dorsey’s Block made an AI model that talks to)
音声AIの開発が、文字を介さない方向へ動き始めています。Blockは2026年10月23日、人間の会話だけを素材にゼロから学習したという音声モデルDessaを発表し、MacBook Pro M4 Max以降でローカルに動作すると説明しています。一方で、会議の議事録づくりや問い合わせ対応の場面では、話す速さや間合いについていけない、声の調子までは拾えないといったモヤモヤが残ったままです。公開された会話例の「自然さ」を、自分の仕事や暮らしに当てはめてどこまで信じてよいのでしょうか? この記事を読むと、公式情報で確認できる範囲と確認できない範囲、既存の音声アシスタントとの設計の違い、日本での利用可否や第三者検証の有無を見分けられます。評判と検証済みの事実を分けて受け取る判断材料が得られます。
この記事の要点
(最終更新:2026年10月24日)
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BlockのDessaは何を発表したのか、公式情報で確認できる範囲はどこまでか
図:Dessaの公式確認範囲(出典:[1])
Blockは2026年10月23日、DessaというAIモデルを発表しました[1]。Dessaは「人間の会話だけを素材に、ゼロから学習した」と説明されている音声モデルです[1]。発表に合わせて、Blockは人間との会話例を複数公開しています[1]。
公式サイトでは、Dessaは「真の音声対音声モデル」であり、知識のすべてを人間の音声から得たと述べられています[1]。動作環境については、MacBook Pro M4 Max「またはそれ以上」の端末でローカルに動かせるとされています[1]。開発の理由としては、「好奇心(楽しさ)」「人間とAIの相互理解の向上」「安全性」の3点が挙げられています[1]。

提供形態について、公式に確認できるのは、AI安全性の研究者「少数グループ」に早期アクセスを提供するという方針です[1]。価格や一般向けの提供開始時期、対応地域については、この出典からは確認できません[1]。一般ユーザーがすぐに利用できるのか、有料なのかといった点は、現時点では公式情報だけでは判断できない状況です[1]。
会話例としては、モデルが話者を別の人物と取り違えたり、映画の話題から予想外の脱線をしたりする様子が紹介されています[1]。自然な間合いで話せる一方、どこかぎこちなさの残るやり取りが公開されている形です[1]。
新しい道具が手元に届く前の、説明書だけを読んでいる時間に似ていますね。
Dessaの会話スタイルは、公開情報でどこまで分かっているのか
図:Dessa会話スタイルの公開情報の整理(出典:[1])
Dessaの会話スタイルについて、公開情報から確認できる範囲を整理します。まず押さえておきたいのは、これは実機を試した評ではなく、Blockが公開した会話例にもとづく報道だという点です。あなたの身近にも、初対面の相手との会話が少しぎこちないけれど、なぜか印象に残る、そんな経験があるのではないでしょうか。
The Vergeの報道によると、Dessaは「人間の会話だけを用いてゼロから学習した」と説明されている音声モデルです[1]。Blockが公開した会話例では、やり取りはおおむね自然な往復に見えるものの、モデルが話し手を別の人物と取り違える場面があったと報じられています[1]。記事はこうした様子を「時に少しぎこちなく、不気味でもある」と表現しています[1]。

公開されている会話例には、映画監督クリストファー・ノーラン作品についての雑談や、別の監督の作品へ話がそれる場面、パリへの旅行を告げられたDessaが「涙声の感謝のように聞こえる」返答をする場面が含まれます[1]。また、OpenAIの音声モデルとの会話例では、Dessaのほうが自然に聞こえるという紹介もあります[1]。
技術面では、Dessaは「真の音声対音声モデル」とされ、知識はすべて人間の音声に由来すると説明されています[1]。MacBook Pro M4 Max以降でローカルに動作するとされ、AI安全性の研究者には早期アクセスが提供される予定です[1]。開発理由としては、好奇心、人間とAIの相互理解、安全性の3点が挙げられています[1]。ただし、これらはあくまでBlock側の説明であり、会話の質を第三者が検証した結果ではない点には留意が必要です[1]。
「不器用な新しい友達」は既存のAIアシスタントと何が違うのか
図:既存AIアシスタントとDessaの会話作法の違い(出典:[1])
既存の音声AIアシスタントの多くは、利用者の発話をいったんテキストに変換し、その内容に応じた返答を組み立てる仕組みだとされています。BlockのDessaチームは、こうした方式について「今日の音声AIは音声という素材を無駄にしている」と説明しています。話し言葉を文字に均してしまい、人間の話すタイミングについていけない、というのがその理由です[1]。
これに対してDessaは「真の音声対音声モデル」とうたわれています。知識のすべてを人間の会話音声から学んだといい、文字を一切見ずに言葉を覚える赤ちゃんの例えを用いて、その挑戦を説明しています[1]。実際に公開された会話例では、やり取りはおおむね自然な一方、モデルが相手を別の人物と取り違えたり、映画の話題から関係のない作品へ脱線したりする様子も紹介されています[1]。Blockはこうした間違いを含めて「時に少し気まずく、不気味でもある」会話として公開しているとされています[1]。

つまり違いは、完成度の高さではなく、会話の作法そのものにあります。既存のアシスタントが用件を正確に処理する方向へ磨かれてきたのに対し、Dessaは間違えたり脱線したりする余地を残したまま、声のやり取りを成立させようとしているように見えます[1]。チームは開発理由として「好奇心(つまり楽しさ)」「人間とAIの相互理解」「安全性」の三つを挙げ、声ににじむ感情を読み取れない現状を安全上の問題として位置づけています[1]。
人と話していて、相手が少し噛み合わないほうが、かえって本音が出た経験はないでしょうか。Dessaの試みは、そうした「不完全さ」を対話の入口として扱えるかを試しているのかもしれません。なお、このモデルはMacBook Pro M4 Max以上でローカルに動作するとされ、まずは少数のAI安全性研究者に早期アクセスが提供される予定です[1]。手元の機器で動く相棒として、どんな間違い方をするのかを観察する使い方が生まれそうです。
Dessaの会話体験で、あなたの仕事や生活はどう変わりそうか
図:Dessaが変えうる仕事と生活の流れ(出典:[1])
Dessaは「人間の会話だけ」を材料に一から学習した音声モデルで、音声をそのまま音声として扱う仕組みだと説明されています[1]。既存の音声AIは発話をテキストに変換するため、話す速さや間合いについていけない、という課題意識が示されています[1]。この点が実用化されれば、会議の議事録づくりや問い合わせ対応のように、人が話しながら作業を進める場面の負担が変わる可能性があります[1]。
Blockは公開した会話例で、雑談や推し量りのゲーム、映画の話題といったやり取りを紹介しています[1]。相手を別人と取り違えたり、話題が予期せぬ方向へそれたりする場面も含まれます[1]。滑らかさより、間や言いよどみを含む自然さを狙った設計と読めるため、仕事の窓口では「用件を正確に処理する相手」より「同席して話を聞いてくれる相手」に近い役割が増えそうです[1]。

安全性の面では、声に含まれる感情を拾えないまま会話が進むことを問題視している点が挙げられています[1]。強い痛みを訴えているのに気づかれない、という例が示されています[1]。体調の相談や高齢者の見守りなど、言葉の内容より声の調子が重要な場面では、この性質が役立つかもしれません[1]。
現時点では、AIの安全性を研究する少数の研究者に早期アクセスが提供される段階です[1]。手元のノートPCで動く規模だとされているものの、一般の仕事や生活に届くまでには時間がかかりそうです[1]。日常の会話をどこまで機械に預けるかは、道具の性能より、私たちの側の線引きで決まっていくのかもしれません。
日本で使えるのか、数字の根拠はどこまで信じられるのか
まず押さえておきたいのは、Dessaの情報が現時点では発表元のBlockと同社の担当者が公開した会話例に偏っているという点です。The Vergeの記事も、Blockが公開した会話のクリップを紹介する形で構成されています[1]。性能を第三者が測った数値は示されておらず、「自然に聞こえる」という評価も公開された音声の印象にとどまります[1]。数字の根拠を探そうとしても、現状で参照できるのは発表資料の範囲だという見方があります[1]。
実機検証の面でも制約があります。DessaはMacBook Pro M4 Max「またはそれ以上」でローカルに動作するとされていますが[1]、これは動作環境の説明であって、日本語での会話品質を示すものではありません[1]。公開されている会話例は英語のやり取りです[1]。日本で使えるかどうかは、公開情報からは判断できないとされています[1]。提供形態も、まずは「少数のAI安全研究者」への早期アクセスとされており[1]、一般の読者がすぐ試せる段階ではないという見方があります[1]。

加えて、音声AIの安全性をめぐっては、実際に有害な助言が問題となった事例が報告されています。米国の非営利団体が導入したチャットボットが不適切なアドバイスを提供し、利用停止になったと報じられています[5]。Dessaの安全性をうたう説明は、こうした事例と照らしてどこまで裏づけがあるのか、公開情報だけでは測りきれません[1][5]。
読者が取れる行動としては、公開された会話例を自分で聞いて印象を確かめること、提供条件や対象地域の続報を待つこと、そして「すごい」という評判と「検証された事実」を分けて受け取ることが挙げられます。新しい道具の話を聞いたとき、値札だけでなく保証書の中身も確かめたいものですよね。
編集長の眼
Dessaは、用件を正確にさばく従来のアシスタントとは違う方向を向いた音声モデルです。人間の会話だけを糧に、間や言いよどみごと声でやり取りしようとしています。手元のノートPCで動くとなれば、たとえば在宅勤務の合間に、話しながら考えを整理する相手として隣にいてくれるかもしれません。高齢の家族の見守りでは、言葉の内容より声の調子を拾う会話が、日々の小さな変化に気づく助けになる可能性もあります。教室や福祉の現場で、正解を急がない聞き手として子どもや利用者の話を最後まで受け止める使い方も思い描けます。人物を取り違えたり脱線したりする不器用さは、むしろ相手を覚えていく途中の姿に見え、長く付き合うほど愛着が湧く相棒になりそうです。まず研究者の手で安全性が確かめられ、そこから私たちの日常へ静かに広がっていく。そんな道筋に、声で交わす会話の新しい形が待っている気がします。
あなたのAI時代適応度は?
3分で診断・具体的なロードマップを提示
よくある質問
Q. Dessaは日本でいつ使えるようになりますか?
日本での提供開始時期は、現時点の公式情報からは確認できません[1]。提供形態として公表されているのは、AI安全性の研究者の少数グループへの早期アクセスという方針のみです[1]。対応地域についても言及がなく、公開されている会話例も英語のやり取りです[1]。続報を待つ状況です[1]。
Q. Dessaは無料で使えますか?価格はいくらですか?
価格については、出典からは確認できません[1]。公式に分かっているのは、まずAI安全性の研究者の少数グループに早期アクセスを提供するという方針です[1]。一般向けの提供開始時期も示されていないため、無料か有料か、いくらになるのかは現時点では判断できない状況です[1]。
Q. Dessaはどんな会話ができるAIモデルですか?
人間の会話だけを素材にゼロから学習した「真の音声対音声モデル」と説明されています[1]。公開された会話例には、映画監督作品についての雑談や、パリ旅行を告げられた際の返答などが含まれます[1]。自然な往復が見られる一方、話し手を別人と取り違えたり話題が脱線したりする場面も報じられています[1]。
出典・参考資料
- Jack Dorsey’s Block made an AI model that talks to you like an awkward new friend(参照日:2026年10月24日)
- 摂食障害ヘルプラインのチャットボットが不適切なアドバイスで利用停止に。AIはどれだけ人間の代わりができるのか(参照日:2026年10月24日)
記事監修: 鈴木隆文
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