AIを使った投資話がSNSのメッセージや広告から入り込み、金融庁や警察が注意を呼びかけています。著名人の広告からLINEに誘導され、AIが自動売買するとうたわれて高額をだまし取られた事例も確認されています。届いた勧誘を、便利な案内として受け取るか、見知らぬ勧誘として受け取るか——その違いを、どこで見分ければよいのでしょうか? この記事を読むと、AI投資詐欺が勧誘の入口や信用させる仕組みとしてどう使われるかが分かります。登録の有無、入金先の口座名義、勧誘の入り口、もうけ話の強調ぶり、やり取りの場の移行という5点から、目の前の話が詐欺かどうかを判断できます。怪しいときの断り方と、今日相談できる窓口も確認できます。
この記事は、総合解説「AI詐欺の手口と見分け方|生成AI・ディープフェイク対策」の詳細編です。全体像はそちらをご覧ください。
この記事の要点
(最終更新:2026年10月13日)
あなたのAI時代適応度は?
3分で診断・具体的なロードマップを提示
AI投資詐欺とは何か、なぜ今あなたのSNSに増えているのか
図:AI投資詐欺の誘導と信用形成の流れ(出典:[1][2])
AI投資詐欺とは、AIによる投資判断や自動運用をうたって、SNSなどを通じて資金をだまし取る手口を指します。金融庁は、AI診断を謳い文句にウェブサイトへ誘い込み、分析レポートを配信すると偽ってSNSへ誘導し、投資話を持ち掛ける事例を確認しています[1]。AIという言葉そのものが手口の一部として使われている点が特徴です。
SNS型投資詐欺は、SNSのダイレクトメッセージで接触した後、被害者をLINEなどの他のSNSに誘導し、「株や暗号資産に投資すれば利益が得られる」などと言葉巧みに信用させ、最終的に「投資金」や「手数料」などの名目で金銭を振り込ませる詐欺の手口です[2]。一度だまされると、詐欺と気付くまで何度も振り込んでしまい、1,000万円以上の高額被害になることもあります[2]。

この流れの中でAIは二つの形で登場します。一つは、AI診断や分析レポートといった言葉で勧誘の入口を作る使われ方です[1]。もう一つは、グループチャット内にサクラがいて、指南に従えば利益が上がるかのようなメッセージが投稿されるなど、信用させる仕組みの一部として使われる場合です[1]。動画投稿サイトの広告等からSNSのクローズドチャットへ誘導され、投資への勧誘が行われる事例も寄せられています[1]。
こうした情報の中には、類似した事例に関して複数の情報が寄せられているものがあります[1]。AIという言葉が、投資の知識がない人にとっては「自分にもできそう」と感じさせる入口になり得る点に、注意が必要とされています[1][2]。
ふと届いたメッセージを、便利な案内と受け取るか、見知らぬ勧誘と受け取るかで、その後の展開は変わっていきます。
AI自動売買や有名人AI広告、LINE勧誘の手口はどう見抜くか
図:LINE投資詐欺で送金した現金と追加要求額(出典:[4][5][6])
「AIが株を自動的に売買して利益を上げてくれる」という投資話は、実際に確認されている手口の一つです[4]。2025年8月、本島南部に住む50代男性が、インスタグラムで著名人が推奨する株式投資の広告を目にしました[4]。広告にアクセスした男性はLINEに誘導され、投資のサポート役を装う人物からうその投資話を持ち掛けられています[4]。男性は取引サイトに登録して金を振り込み、利益が出ているように表示され、実際に一部を引き出せたことから、指定口座に10回にわけて現金2280万円を送金しました[4]。9月に出金しようとしたところ追加で800万円を振り込むよう指示され、不審に思って警察に相談し、事件が発覚しています[4]。
有名人をAIでしゃべらせた投資広告についても、詐欺ではないかという声が寄せられています[6]。こうした広告が多数流れている状況そのものが、投稿者によって問題視されています[6]。

LINEを通じた投資詐欺では、詐欺師が「好意があるふりをする」「著名人のふりをする」などの方法で信頼を得たうえで、「今すぐに始めるべき」といった言葉で急かし、判断力を鈍らせるとされています[5]。1対1のトークでは、外部サービスで知り合った相手や著名人・投資家になりすました人物から投資の話を持ちかけられるケースが確認されています[5]。コミュニケーションが始まって間もなくお金の話が出た場合は、詐欺の可能性が高いと考えられます[5]。グループトークやオープンチャットでも、著名人や投資家になりすました人物から投資にまつわるグループへ招待される手口が確認されています[5]。寄付を装ってお金を騙し取る手口もあるため、知らない人から受け取ったURLはむやみに開かないよう注意が呼びかけられています[5]。
警察は「SNSの相手からの金に関するメッセージは必ず詐欺を疑ってほしい」と注意を呼びかけています[4]。怪しいトークを受け取った場合は、発言をせず、可能な限りすぐに通報することが推奨されています[5]。
その広告の向こうにいる人が、本当に画面の人物なのかどうか、立ち止まって考えてみる余地があるのではないでしょうか。
警察庁の被害額や件数は何を意味し、何を意味しないのか
図:警察庁の数字が示す範囲と示さない範囲(出典:[2][4])
警察庁の特設ページでは、SNS型投資詐欺の被害について、令和8年1月から6月までの期間における認知件数や被害額が、当初接触ツール別・被害時の連絡ツール別に示されています[2]。ここでいう認知件数とは、警察が事件として把握した件数を指します[2]。また、報道では個別の事例として、2025年8月に本島南部の50代男性が、著名人が推奨する株式投資の広告からLINEに誘導され、「AIが株を自動的に売買して利益を上げてくれる」という話を持ち掛けられ、現金約2300万円をだまし取られたと伝えられています[4]。

これらの数字は、警察に届け出られ、認知された被害の規模を示すものです[2][4]。一方で、被害に遭っても届け出られていない事例や、詐欺と気づいていない事例は含まれないとされています[2]。つまり、示された件数や被害額は、実際に起きている被害の全体像ではなく、把握できた範囲の一部であるという見方があります[2][4]。
数字を眺めるとき、それは氷山の一角なのかもしれない、と立ち止まってみるのもよいでしょう。
勧誘を受けたとき、AI投資の判断基準5点はどこを見るか
図:AI投資の勧誘チェック5点(出典:[1][2][5])
勧誘を受けたときは、次の5点を確認すると判断の助けになります。
1点目は、相手が金融商品取引業や暗号資産交換業の登録等を受けているかどうかです。取引をする業者が登録等を受けているかの確認が呼びかけられています[1]。金融庁の検索機能では、名称や電話番号等を入力して登録業者を調べられます[1]。
2点目は、入金先の口座名義です。入金の際に証券会社が個人名義の銀行口座を指定することはないとされています[1]。個人名義の口座を指定してくる事例も確認されています[1]。

3点目は、勧誘の入り口です。動画投稿サイトの広告等からSNSのクローズドチャットへ誘導され、投資への勧誘が行われる事例があります[1]。AI診断を謳い文句にウェブサイトへ誘い込み、SNSへ誘導して投資話を持ち掛ける事例も挙げられています[1]。
4点目は、もうけ話の強調ぶりです。「必ずもうかる」といった甘い言葉への注意が呼びかけられています[2]。預入金額に応じた特典を掲げて入金させようとする事例もあります[1]。
5点目は、やり取りの場の移行です。SNSのダイレクトメッセージで接触した後、他のSNSへ誘導し、投資金や手数料などの名目で振り込ませる手口が説明されています[2]。コミュニケーションが始まって間もなくお金の話が出た場合は、詐欺の可能性が高いと考えられます[5]。
心当たりのある誘い文句が一つでもあれば、その場で結論を出さずに、誰かに話してみるだけでも見え方が変わります。
怪しい勧誘を断り、被害に遭ったら今日どこへ相談するか
図:怪しい勧誘への対応と相談先(出典:[1][5][7])
怪しい勧誘を受けたときは、まず関わり合いにならないことが大切です[1]。相手に通報したことは伝わらないため、怪しいトークでは発言をせず、可能な限りすぐに通報することが推奨されています[5]。知らない人からのトークやグループ招待が届かないように設定を変えることもできます[5]。
情報の提供先は複数あります。金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」、金融庁金融サービス利用者相談室、証券取引等監視委員会情報提供窓口に情報を寄せ、最寄りの警察署に相談することが案内されています[1]。金融庁金融サービス利用者相談室の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」は、平日10時00分~17時00分に電話で受け付けています[1]。警察相談専用電話は「#9110」で、受付時間は原則、平日の8時30分~17時15分です[1]。

取引の前に、業者が金融商品取引業や暗号資産交換業の登録等を受けているかを確認できます[1]。金融庁の検索機能では、名称や電話番号等を入力して登録業者を検索できます[1]。入金の際に証券会社が個人名義の銀行口座を指定することはありません[1]。
詐欺の手口を事前に知る方法もあります。生成AIが扮した架空の犯人とのやりとりを体験できるツールが開発されています[7]。香川県警監修のもとで作られ、メッセージを送ると生成AIがリアルタイムで返答する仕組みです[7]。
被害に気づくのが遅れても、相談の電話は待っていてくれます。
編集長の眼
AIという言葉は、投資の知識がない人にとって「自分にもできそう」と感じさせる入口になり得ます[1][2]。だからこそ私たちは、その言葉の便利さに引かれる前に、誰が、どこで、何を根拠に語っているのかを確かめる必要があります。暮らしの中で考えれば、見知らぬ人が玄関先で「儲かる話がある」と差し出してきたチラシを、その場で信じて財布を開く人は少ないはずです。画面越しだと、その距離感が縮んでしまうのが厄介なところです。逆説的ですが、AIをうたう勧誘ほど、人間の手間を省こうとしているように見えて、実は確認の手間を増やしてくるものです。まずは金融庁の検索機能で業者の登録を調べ、入金先が個人名義でないかを確かめる。少しでも引っかかれば、その場で結論を出さず、家族や警察相談専用電話「#9110」など誰かに話してみる。次の一手は、怪しいと感じた瞬間に立ち止まり、確認と相談に時間を使うことではないでしょうか[1][5]。
あなたのAI時代適応度は?
3分で診断・具体的なロードマップを提示
よくある質問
Q. 「AIが自動で株を売買して儲かる」と言われたら詐欺ですか?
実際に確認されている手口の一つです。2025年8月には、著名人が推奨する株式投資の広告からLINEに誘導され、「AIが株を自動的に売買して利益を上げてくれる」という話を持ち掛けられ、現金約2300万円をだまし取られた事例が伝えられています[4]。警察は「SNSの相手からの金に関するメッセージは必ず詐欺を疑ってほしい」と注意を呼びかけています[4]。
Q. SNSやLINEで投資に勧誘されたとき、どう断ればいいですか?
まず関わり合いにならないことが大切です[1]。相手に通報したことは伝わらないため、怪しいトークでは発言をせず、可能な限りすぐに通報することが推奨されています[5]。知らない人からのトークやグループ招待が届かないように設定を変えることもできます[5]。コミュニケーションが始まって間もなくお金の話が出た場合は、詐欺の可能性が高いと考えられます[5]。
Q. AI投資詐欺に遭ったかもしれないとき、どこに相談すればいいですか?
金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」、金融庁金融サービス利用者相談室、証券取引等監視委員会情報提供窓口に情報を寄せ、最寄りの警察署に相談することが案内されています[1]。金融庁金融サービス利用者相談室の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」は平日10時00分~17時00分、警察相談専用電話「#9110」は原則平日8時30分~17時15分に受け付けています[1]。
出典・参考資料
- それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!(参照日:2026年10月13日)
- SNS型投資詐欺 | 最新の詐欺 | 警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ(参照日:2026年10月13日)
- 「AIが株を自動的に売買して利益を上げてくれる」うその投資話を持ち掛けられ50代男性が現金約2300万円被害のSNS型投資詐欺(参照日:2026年10月13日)
- 投資に勧誘された...それ、詐欺です!|LINEみんなの使い方ガイド(参照日:2026年10月13日)
- 有名人AIによる投資の詐欺広告 - YouTube コミュニティ(参照日:2026年10月13日)
- 生成AIを活用した「SNS型投資・ロマンス詐欺被害仮想体験ツール」(LINE)|LINEヤフー株式会社(参照日:2026年10月13日)
